- コンサル業界に興味がある人
- アナリストを目指す人
- 若いうちから海外で働いてみたい人
- 国際関係学を専攻している学生
- 将来したいことが分からない学生
- ウクライナに興味がある人
こんにちは、Ayakaです。
前回に引き続き、ポーランドの大学院で国際関係学を専攻し、現在某有名コンサル企業のポーランド支社で働くウクライナ人Aへのインタビューです。
就職においては不利に働くこともあると言われる国際関係学を学んだ先輩として、国際関係学を学んで良かったことも教えてもらいました。
この記事で、コンサル企業、アナリストについて知ることができるのはもちろんですが、
国際関係学を学んでいてちょっと不安がある学生を勇気づけることができたらイイな、と思っています。
国際関係学のメリット・デメリット
―私(筆者)も国際関係学が専攻なんだけど、結構、職探しには苦労してるんだよね。Aは国際関係学という専攻が不利に働いた経験がある?
もちろん、良い面も悪い面もあるけど、捉え方次第だと思うわ。
ポジティブな面でいうと、国際関係学って、とても広く世界中の出来事に関しての知識を深めていく学問だということね。
経済、政治、文化、人権など、自分で自由に分野を選んで仕事と繋げることができるから。
例えば、金融関係の仕事を見つけたとしましょう。金融全般ではなくても、経済の授業で多少の知識はあるから、一応応募はしてみるわ。
―どこまで学んで、どこを学んでないかって全部伝える必要もないしね。
ええ。
基礎知識があれば、後で専門的なことも学びやすくなるしね。応募してしまってから自分で学んだっていいんだし!
私が国際関係学を選んで良かったなって思うのは、今のコンサル企業がとてもインターナショナルで、色々な国籍を持った文化的背景の違う人たちが集まっているんだけど、大学でずっとやってきた、異なる人々と協力するということがとても活きていることよ。
大学で一緒に授業を受けた仲間がそもそも色んな国出身の人たちだったし、彼らもすごくオープンマインドで、異なる意見を受け入れることや、異なる文化を知ることが日常であったから、今の多様性を重視したコンサル企業でも、この時の経験がすごく活きているわ。
―大学の課題であるプレゼンテーションとかも協力しながら一緒にしていかないといけないしね。
そうそう。
あと、文化の違いもだし、国の政治状況の知識もあると、社内でのコミュニュケーションがしやすいと感じるわ。
―私も時々、自分の専攻の基礎的な知識(特に政治状況)がスタンダードだと、知らずのうちに思ってしまっていて、「なんでこんなことも知らないの!?」って、違う専攻の人に思ってしまうことがあるわ。
そうなの。専攻や人によっては、私たちが当たり前だと思ってしてきた経験が一切無かったりするのよ。
だから、大学で色んな人と切磋琢磨してきた経験が、私が今のコンサルティング会社に選んで貰えた大きな理由であると感じるわ。
―特にあなたの働いている会社は多様性をとても重視するし、国際的に展開しているからね。
そうそう。気が利くこと、尊敬の気持ちを示すころ、思慮深いこと、オープンマインドであること、我慢強いこと、などのいわゆるソフトスキルもかなり重視される会社ね。
ネガティブな点について言えば、国際関係学を修了しても、何の専門知識も無いことね。
英語を専攻して英語の先生になるわけでも、プログラミングを専攻してエンジニアとして働くわけでもないからね。
―弁護士になりたくて法学部に行った人や、医者になりたくて医学部に進んだ人とか分かりやすいね。
シェフになりたくて飲食の専門学校に行った人も分かりやすい例だけど、とにかく、国際関係学を修了しても、自分に専門と呼べるものがないの。
特に、私の場合は、国際関係学というジェネラルな専攻な上、ポーランドからしたら外国人であるから、ポーランド人の学生に比べてチャンスが少ないの。
自分がもしポーランド人だったら、政府機関などの公的組織にも応募してただろうけど。
ウクライナのお財布事情
―ウクライナの大学では英語を専攻してたけど、なんでウクライナで英語を活かした仕事に就かなかったの?
沢山理由があるから、全部説明するのに20分くらい時間がかかりそうだけど(笑)
まず、ウクライナの給料はすごく低いの。特に、初めの頃、新卒で経験値が低い状態だと、とーっても給料が低いわ。
―じゃ、今働いているコンサル企業の初任給の方が、ウクライナで先生として働くよりも高い?
もちろん!
私の両親は2人とも教師なんだけど、私の初任給は、2人の今の給料を合わせた額よりも2~3倍だったわ。
―ひえ~!!!そんな違うの!?
私の両親は経験が長いのにね。
もちろん、ウクライナ国内だけ生活する分には十分な額なんだけど、ユーロやUSドルに換算すると、かなり低いのよね。
世界的に有名なコンサル企業での働き方
―今働いているコンサル企業の良いところは?機密事項があると思うから、言える範囲でお願いできるかな。
まず、働き方がとてもフレキシブルな点ね。
このフレキシブルな働き方のおかげで、フルタイムだったにも関わらず、在学中も勉学と仕事の両立ができたわ。
あと、上司のことをボスじゃなくて、リーダーって呼ぶんだけど、これがすごく好きだわ。
―ネーミングが好きってこと?
う~ん、ネーミングっていうよりは、フィーリング、気持ちの部分ね。“上司”はいないの。リーダーなの。
自分たちよりも経験が長くて、何か問題があったら、相談できる、私たちアナリストを束ねてる人たちのことをリーダーって呼ぶんだけど、この制度自体もだけど、彼らの人柄が素晴らしいの。
もちろん、普通の会社のようにヒエラルキー構造だけど、フレンドリーに接することができるの。
あと、1回こんな出来事があったわ。
リーダーよりも上の立場の人たちが、アナリストに対してある指示を出してきたんだけど、それが結構無茶な内容だったの。その上の立場の人たちが悪いからではなく、単に彼らはアナリストたちの状況を詳しくは知らないがために出した指示だったんだけど・・・。
でもそこでリーダーたちが、自分たちの上司である、その上の立場の人たちに「確かに経営的にはその方が利益があるかもしれません。でも、私たちは下を雑に扱うようなことはしたくありません。」って感じのことを言ってくれたの。
―歯向かったわけじゃないけど、リーダーがリスクを冒して、自分たち下の者のことを守ってくれたのね?
そうそう!その時、本当に感動したわ。
アナリストとして大切なこと
―アナリストとして1年半ほど働いてきて、仕事が好きだと思うけど、アナリストに必要な人柄、気質ってある?
そうね。注意深い人。
注意深い、思慮深い、気が利く、素早い。物事を決断するのにあまり時間が無いから、素早く判断を下していかなければならないの。
あと、ルールがきちんと守れる人。機密事項を漏らしてはならないから。
ただ、同僚に対してはフレンドリーであってね!
―会社に信頼してもらえる人材でないとダメね。
もちろん。
仕事の都合上、携帯を持ち込んではダメっていうルールがあるし。
―家族にも仕事の話はできないのね?
ええ、ダメ。
でも逆に私はそれで良かったと思ってる。っていうのも、話せないっていう状況にいることで、職場以外で仕事について考えなくて済むから。
友だちに愚痴ったりすれば、その友だちも私と同じようにストレスを感じて・・・って誰も良い気持ちにならないでしょ?
―今までに、アナリストとしての気質にフィットしない人が、社内で問題で問題を抱えたことはあった?
1年半働いてきて、1回だけだけどあったわ。
これは、アナリストとしてどうこうっていうことではなく、会社がとても国際的であるからだったんだけど・・・。
ある人が、社内の特定のグループを不快にさせてしまいかねない発言を繰り返していて、注意しても直らなかったから、残念ながら辞めてもらったケースを知っているわ。
でも、99.9%の社員は、敬意をしっかりと表せる人たちよ!
あと、「自分にはアナリストは合わない」って辞めた人を知っているけど、それはその人の問題でも会社の問題でもなく、単に合わなかっただけよ。
―実際に働いてみないと分からない部分は沢山あるから、まずはトライしてみることが大事だよね!
そう!その辞めた人は他で仕事を見つけたけど、今でも友だちよ!
仕事に慣れるまでにかかった期間
―アナリストとしての仕事に慣れるまではどれくらい時間がかかった?
まずね、入社後に研修が1か月(以上)あったの。
―まぁ仕事は一生学びがつきものだよね。
ええ、今でも新しいことを学ばせてもらってるわよ。世の中で変化は常に起こっているからね。
最初の頃は、分からないことだらけで、何度も何度も人に聞かなきゃいけないのは、当たり前だけど、嫌気がさしたわ。
早いと遅いが同時に続くし。早いっていうのは、周りでは沢山のことが起こっているし、1日を振り返ると、「あれもやった、これもやった」て思うんだけど、
反対に、色んなことが周りで起こっている分、自分の仕事のスピードの遅さが際立つわね。
トータルで、4ヵ月くらいかな、仕事に慣れるのにかかった時間は。
―「私自分で仕事できる!」って思うようになるまで、4ヵ月くらいだったってこと?
「自分でできる」って感じるようになったというよりは、全てが普段通りに感じられるようになるまでが4ヵ月程度かかったってことね。
最初は、仕事もそうだけど、同僚や上司のこともよく知らないから、緊張しっぱなしだったわ。
会社の規模が大きかったからっていうのも、かなり時間かかった理由だと思うわ。
今回はここまでです!最終章は下のリンクから是非!