- ポーランド社会について知りたい人
- ウクライナ社会について知りたい人
- 将来何がしたいか分からない学生
こんにちは、Ayakaです。前の記事2つに続いて、最後のキャリア相談記事です。
今回は、なぜ自国であるウクライナではなくポーランドの大学を選び、ポーランドで就職したのか、をウクライナとポーランドの違いを混ぜながら、
又、今後のキャリア、生活はどうしたいと思っているのか、
そして、したいことが定まっていない学生へのアドバイスを聞きました!
まだ読んでいない方は先にこちらをどうぞ!
ポーランドとウクライナの違い
―ポーランドを離れることを考えてるって言ってたけど、どうしてそう考えるようになったの?
これは、最近考え出したことじゃなくて、前々から計画していたことなの。ポーランドに来た当初から、永住するつもりではなかった。
ただ、ウクライナではない他国で勉学に励むにあたって、ポーランドだったら金銭的になんとか可能だったから選んだの。
他の欧州圏の国は、金銭的にちょっと無理だったわ。まだ学費も生活費も親に頼っていたし。
私にとってポーランドは、人生において、より大きなステージへのステップ(階段)だったのよね。
―文化や食事の面ではウクライナとポーランドって似ている部分が沢山あると思うけど、それでもポーランドに来てから発見した違いはあった?
やっぱり、お金ね。
―給料や生活の質が違うってこと?
これはきっと、経済的にポーランドより豊かな国から来た人は気付けないのかもしれないけど、
例えば、ウクライナとポーランドは物価は大きくは違わないんだけど(もちろん物による)、給料に大差があるから、ポーランドで給料を得た方が、より豊かな生活ができるんだよね。
特に、働き始めてからこの給与の違いを感じるわ。
それでも、ポーランドの給与水準は、世界的にみて高いわけではないから、他の国で働いてる人たちは、私よりもはるかに豊かな生活ができるんだろうなって想像するわね。
今の私の給料でも、既に貯金が出来たり、親に仕送りが出来る余裕が生まれているの。
―だから、ウクライナなど、いわゆる東欧の国々から、土木関係の肉体労働でポーランドで働く人たちが結構いるのか。(道路工事やインフラ整備で働いていらっしゃるポーランド国籍でない方々を街中で見かけます)
バカな理由って思われてしまうかもしれないけど、ポーランドで働いて、自国の通貨に換算すると、車が買えたりと、より経済的に余裕が生まれるのよ。
ウクライナの新卒採用状況
―ウクライナでは、大卒の就職状況って厳しい?雇用率が低い、とか。学生が卒業後すぐに仕事を得ようと思ったら、何をしなきゃいけない?
就職に関して、ウクライナで一番の問題は、退職年齢が遅いことね。女性は60歳、男性は65歳と決まっているの。
―それは性差別じゃない?
そうね(失笑)でもこれが現実なの。
―ま、ポーランドも女性の退職年齢が低いから、これについては今回触れないでおこうか(失笑)
そうね。
(ウクライナの話へ戻ります。)
例えば、小さな村にある学校1つを例にとると、教員枠が20あったら、そのうちの15は40歳以上の先生に既に取られているの。
―その先生たちは今すぐ退職するわけじゃないね。
そう!40歳台ならまだ20年は働き続けるでしょうね。だからすぐにポジションが空くわけではないわ。
―それに、その先生たちは既に経験と実績があるから、辞めないし、学校側も辞めさせたくないだろうしね。
そう。且つ、教員が65歳で定年を迎えたとしても、まだ働き続けたい可能性だってあるの。年金だけでは生きていけないかもしれないしね。
で、これが結構大きな問題点で、若い大学生が、自分の専攻を活かして働くことができる場所が少ないの。
私がウクライナの大学で選考したのは英語だったんだけど、同期の多くは、学校ではなく会社で働いてるわ。フリーランスも多くいるし。
―フリーランスは結構大変だと思うけど。
全員ができる訳ではないけど、1人ユーチューバーになった友人がいるわ。
どの国であれ、フリーランスとして生計を立てていくのは簡単なことではないわ。
ーウクライナでは社会人とのコネクションは大事だとみなされてる?
多く大学生が、在学中から経験を積んで、コネクションも作っておこうと努力するわ。ウクライナでは、結構コネクションが大事な部分があるの。
っていうのも、もしある会社を辞めたとしても、そこで働いていた時の知り合いが、別の会社に、その辞めた人を推薦することもあるから。
ポーランドの政治と宗教
―では、ポーランドで働いてて、経済的余裕が既にあるのに、どうしてポーランドを出ようと思うの?
ポーランドに住み始めてもう3年目に突入してるけど、居続ければ居続けるほど、楽になってしまって、別の場所へ動くことが難しくなってしまうと思うわ。
ポーランドが大好きすぎて他の国へ行きたくない!って訳ではなくて、実は、家族のため、また将来(子どもができたら)子どものためにも、より質の高い環境に身を置いておきたいとは考えているの。
あと、特に最近のポーランドで宗教色が強くなってきていることは、好ましい現象だとは思えない。
私は神を信じてるし、神を信じるのは構わないけど、それを人に押し付けたりしてはダメでしょって思うわ。
―実際に宗教は、色んな人を傷つけてきたって側面もあるしね。
そうね。特に今は中絶がかなり話題になっているわよね。
ポーランドの避妊方法、中絶について
ポーランドはいくら宗教色が強いとはいえ、ポーランド人全員が宗教を信仰したいわけではないわ。
でも、今のポーランド政権は、宗教の教えをポーランド全土に押し付けようとしてる。
最近のポーランド政治について
―実際にAのポーランドでの生活にも、政治が影響し始めてる?それとも、あまりにも宗教色の強いポーランド政治を見るのが嫌ってこと?
後者ね。宗教色の強い政治を間近で見るのは好きじゃないわ。
中絶に関する法案が私に何か影響を及ぼしてるわけではないわ。でも、女性として、自分で選ぶ権利は持つことができるべきだと思うのよ。
あと、LGBTQ+など性的少数派に対して、不快な言動を見たり聞いたりするのが嫌だわ。
―私未だに『LGBTは小児性愛障害』って書かれた大きな横断幕をかかげて、ワルシャワの中央メトロ駅の前にブースを開いてた人たちがいたのを覚えてるわ。
「本気で言ってる?公共の場でこんなことするの!?」って思ったけど・・・。
そういうことを見るのは嫌だし、きっとこの状況はすぐには変わらないだろうなって感じちゃうの。
だから、住む場所を変えてみて方がいいかなって思う。
―ポーランドのことを心のそこから嫌っているからではないけどね。
全然そんなことはないわ!ポーランドの好きなところは沢山ある!
―ただ、特に今は、宗教が大きな事柄だからね。
あと、最近ズウォティ(ポーランドの通貨)の状況が好ましくないから、ユーロやドルに交換した際、前よりも額が少ないのよ。
だから、もう少し経済状況の安定した国に移住したいなって思うんだよね。
グローバル化とミレニアル世代
ーだからドイツへの移住を検討してるの?
ドイツもそうだし、イギリスも考えてたんだけど、イギリスはちょっと・・・。
―今はブレクジットのこともあって、移住にベストなタイミングとは言えないわね(苦笑)
ほんと(笑)
アメリカは家から遠すぎて、家族と今より離れ離れになって暮らしている姿が想像できないし・・・。
―ウクライナに戻ることは検討してないのね?
もちろん、家族に会うために帰ったり、旅行したりすることはあるだろうけど、働くために自国へ帰ることは、今は考えてないわ。
この間の選挙で選ばれた大統領のこともあるし・・・。
―あれね、俳優が大統領になった件。
※参考:コメディー俳優が大統領に ウクライナでゼレンスキー氏が勝利 - BBCニュース
これについてはエッセイ1つ書けるわよ(笑)
やっぱり自分の国だからウクライナは好きだけど、今すぐ政治・経済状況が好転する兆しはないと言わざるを得ないわ。
10年後、20年後には、自信を持って、自国のことを、美しく素晴らしい汚職のない国だと言える日が来ることを願っているけど。
―まぁ完璧な国なんて無いからね。
そうね。ただ、自分にとってより良い環境が手に入るなら、これだけグローバル化が進んでるんだから、自ら選びにいって良いと思う。私たちはミレ二アルって呼ばれる世代だし!
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キャリアアドバイス
―最後になるけど、将来何がしたいか分からない、目標がない、職探しをしている学生たちにアドバイスできることはある?
何がしたいか分からなくたって全然問題ないわ!私だって何がしたいかはっきりとは分かってなかったし、働いている今でも、自分のしたいこと、キャリアの積み方は常に考えてるわ。
悩ましくて、時々ストレスに感じちゃうけどね。
同年代の人と話しても、何がしたいかはっきり分かってない人が多いわ。
大人は、「目標を持ちなさい」「夢に向かって頑張りなさい」って言ってくるかもしれないけど、私たちってとっても若いんだから、深刻に考えすぎないで!
リラックスして、ちゃんと給料を払ってくれる会社を見つけたらいいわ!ファーストキャリアが人生の全てじゃないんだし。
―フリーランスとしてスタートするかもしれないしね!
ええ、Oh come on! リラックスして、何事もなるようになるわ!以上!
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