こんにちは、Ayakaです。
私事ですが、今学期の試験が全て終わり、少しホッとしているところです。
さて、今回は私の記憶が新しいうちに、交換留学先のスペインの大学で今学期取った授業とテスト内容をご紹介していきます。
因みに、私はInternational Relations(国際関係)を専攻していて、
交換先の大学では単位交換できる5つの授業のうち3つは、国際関係学部か法学部のカリキュラムから取らなければならない、というルールがあります。
また、言語科目以外の授業は英語で取っているので、日本語訳は私が勝手についけています。
- Spanish―スペイン語
- Promotion and Protection of Human Rights-人権の促進と保護
- Latin America in the world-世界の中のラテンアメリカ
- Legal and Forensic Psychology―法心理学
- International Protection of Human Rights―人権の国際的保護
- まとめ~スペインの大学の特徴~
Spanish-スペイン語
言語科目に関しては、授業内容や評価システムは世界各国大差ないのではないかと思います。
私のスペイン語レベルはまだ高くないので、議論ができるわけではありませんが、
B2(中上級)のクラス以上になると、社会問題やより難しいテーマについてスペイン語でプレゼンをしたり、討論し合ったりするみたいです。
私たちのレベルでは、自分についての何かをプレゼンテーションする機会がありました。
最終試験以外に3回エッセイのの試験があり、中間試験はListening、Writing、Reading、Grammarの技能が測られました。
最終試験は、中間試験と同じ項目が2日間に分けて行われました。
Promotion and Protection of Human Rights-人権の促進と保護
人権の促進と保護について、現代社会の人権問題を取り上げながらディベートをしたり、プレゼンテーションをしたりしました。
Lecture形式なので、基本的には教授が話すことが多いですが、この授業を選択している生徒の数が割と多かったので、
生徒のグループプレゼンテーションが教授のLectureと同じ時間数くらいありました。
ディベートは計3回あり、テーマは、
1. Does protection mean justiciability? And, what does justiciability mean?―保護は正当性を示すか?また、正当性とは何か?
2. Human Rights and global inequality―人権と世界的な不平等
3. Solidarity under threat: the criminalisation of HRDs―脅威下の連帯:人権活動家の犯罪化
このテーマだけ見ると、なんのこっちゃ!?と思うかもしれませんが、きちんとMaterialとして短い読み物がテーマと一緒に提供されていて、
本来は、家でそれを読んできた上で授業ではディベートをする、という方針です。
ただ、この科目を教えている教授が抜けているところがあったり、厳しくないこともあり、結局2回目からは授業中にさーっと読んでいました。
また、ディベートではなく、ディスカッションでした。というかもはやディスカッションでもなくただ意見を言っていくだけ、のような進め方でした。
割と大人数なので、まずはグループごとで話し合い、授業が半分過ぎた頃から、教室全体で、グループで話し合った内容をシェアする、という感じです。
出欠は抜き打ちで取られました。
教授が、敢えて人数が普段より少ない日、結構な雨が降った日と期末の授業日の計2回、出欠を取りました。
課題に関してですが、短いエッセイを書く課題が学期中に2回、3000字前後のエッセイ課題が期末に出されました。
短いエッセイは、
授業で説明しなかった、人権に関する条約を1つ選び、その内容や、批准、保留条項、監視機関(Monitoring body)などについて簡単にまとめる課題と、
Arab Charter on Human Rights 2004 か ASEAN Human Rights Declaration どちらかを選択し、国連の人権のスタンダードと比べる課題
でした。
期末のエッセイは、3回のディベートのテーマから1つを選び、それに関連して分析し、自分の結論を導き出すという課題です。
期末試験は、選択式の(確か)20問でした。
答えは1つとは限らず、正解が0の場合もあれば、2つや3つが正解の場合もあり、しっかり問題文も答えも読まなければなりませんでした。
思ったより細かいところをついてきて、難しかったので、もっときちんと勉強しておくべきだったな、というのが率直な感想です。
Latin America in the world―世界の中のラテンアメリカ
ラテンアメリカの定義から、世界におけるラテンアメリカの役割を広くカバーした授業でした。
先述した授業と同様に、割と生徒数の多い授業だったので、グループプレゼンテーションがありました。
私のグループは包括的かつ先進的TPP協定(TPP11)とラテンアメリカがテーマでした。
短いエッセイ課題(4ページほど)が学期の中間辺りに出され、ラテンアメリカに関してテーマを自由に設定し、
単に歴史的事実を述べるだけでなく、批判的、客観的に分析して結論を導き出すことを目的としていました。
最終試験は論述式で、質問は2つでした。
A4サイズが2枚繋がった大きさの真っ白な紙が用意され、答えを4ページ以内に書いていく方式です。
1つ目の質問は、ラテンアメリカにある組織(organization、institute)を1つ選び、その特徴と、主要な成果と批判を述べなさい、というもの。
2つ目の質問は、歴史的、理論的な側面、例えばInterregionalism、から、ラテンアメリカの世界における役割を考察せよ、というものでした。
1つ目の質問に関しては最大で2~3段落程度の、1ページ内の短い答えに留めるように、
2つ目の質問に関しては、イントロ、考察(中身)、結論のあるエッセイの構成で解答を書くように教授から指示がありました。
Legal and Forensic Psychology―法心理学
心理学部で取った授業なので、自分の専攻とは直接の関係はありませんが、事件もののドラマや映画が好きなので取ってみました(笑)
なんともアカデミックでない理由ですが(笑)
個人的には、アメリカやイギリスで行われている陪審員制度の審判を下す過程で、どのような要因が陪審員の心理に影響を及ぼすのかについて書いた期末課題(3000~3500字)で、最も学びが多かったです。
個人で行った期末課題の他には、グループで取り組むエッセイが2回ありました。
試験は選択式で、答えは1つです。50問中、最低30問は正解しなければ、他の課題の成績(グループエッセイや個人の期末課題)がどんなに良くても、パスできません。
授業はLecture式でしたが、教授が生徒に質問を投げかけて考えさせたり、近くに座っている生徒とグループを組んで話し合う機会が設けられました。
教授は、実際のケースについてのドキュメンタリーや映画・ドラマなど、授業中に動画を結構多く使って解説していました。
指定書籍があるのですが、試験で満点を取ろうと思えば、それを読んでいないと取れない内容でした。
授業では詳しく言っていないことも出されたので・・・。
International Protection of Human Rights―人権の国際的保護
あれ?さっきも“人権”の授業出てきたよね・・・?
と思ったかもしれませんね(笑)
そうなんです、今学期はなぜか私の興味が人権に沸いたらしく、人権に関する授業を2つ選択しました。
ただ、先ほど紹介したPromotion and Protection of Human Rightsは条約ごとの比較や、現代の問題(難民問題等)に当てはめながら人権の促進と保護について考えるのに対し、
こちらのInternational Protection of Human Rightsは、かなり国連の人権に関する条約と監視機関、メカニズムについて法の側面から学びました。
スペインはヨーロッパの一国でもあるので、European Convention on Human Rights(人権と基本的自由の保護のための条約)の規定、監視機関、メカニズムについても学びました。
Promotion and Protection of Human Rightsは国際関係学部の授業であったのに対し、International Protection of Human Rightsは法学部の授業でした。
正直、この2つの授業に関して言えば、レベルは法学部の方が若干上でした。
法学部の授業では、自由権規約(ICCPR)に基づいて設置された自由権規約人権委員会の出す最終見解を自分で書く、という課題が学期の中間くらいに出されました。
本来なら2人ペアでする課題ですが、私はクラスで唯一のアジア人であり、
たまたま、教授が2021年から日本で教鞭を取る為、非常に日本の人権に関する状況に興味があるということで、
1人で課題に取り組みました。
その代わりと言ってはなんですが、レポートのページ数は他の生徒たちの半分でOKなど、課題の量は1人分になりました。
また、この課題に関しては、学期末にプレゼンテーションを行いました。
レポートは最終評価の30%分、プレゼンは最終評価の15%分です。残りは、15%が授業での参加度、つまり出席だけでなく発言や質問で、40%が最終試験です。
なので、最終試験を受ける前に既に60%分の評価は決まっていました。
個人的に、この最終試験が今まで受けた中で最も難しい試験だったと感じます。
質問は大きく分けて2つで、1つ目はICCPR(自由権規約)とICESCR(経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約)の違いか、国連の人権理事会の普遍的・定期的レビューの説明を書くものでした。
2つ目は、自由権規約人権委員会の実際のケースが出され、読み、3つの質問に解答する問でした。
ケースを読み解くこと自体かなり難しかったですが、
法学部特有の?解の書き方を知らなかったこともあり、かなり戸惑い、中身は分かっても、どのように書いたら良いか非常に悩みました。
もし、自分の専攻と違う学部の試験を受ける方がいらっしゃれば、解答の書き方などを、試験前に教授に確認しておくと安心かと思います。
まとめ~スペインの大学の特徴~
スペインの大学全てに当てはまるのかは不明ですが、
ポーランドの大学と比べると、最終評価における最終試験以外のウエイトがかなり大きいように感じました。
最終試験だけでなく、日頃のディベートへの参加、プレゼンテーション、レポート・エッセイなどをきちんとし続けていないと、
いくら最終試験で満点を取ったとしても、最終評価で高評価を得る(=一発逆転をする)のが難しいようなシステムだと思います。
逆に言えば、学期中きちんと課題をこなし続けていれば、最終試験で多少しくじってもパスできるはずです。
もちろん結局は教授、それぞれの大学の特色によるのでしょうが。
以上、交換留学先、前半半年の授業についてでした。
スペインに(交換)留学される方の参考に少しでもなれば嬉しいです。
ちなみに、ポーランドで取ってきた授業も興味ある方はこちらからどうぞ!