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【ポーランドの役者業界】夢を叶えるため難関演劇学校合格を目指す大学生からナタリアから学ぶ心構え

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こんにちは、Ayakaです。

 

突然ですが、皆さんはポーランドの女優さんと聞いて、思いつく人はいますか?

 

こんな質問をしといて何ですが、私も正直名前を挙げられるほどポーランドの役者については知りません(笑)

 

しかし、ポーランドにはお隣ウクライナに負けず美人が多いと言われています。

 

今回はそんなポーランドで役者を目指すナタリアに、ポーランドで役者になる方法、演劇学校のシビアさ、実はポーランドの役者業界ではアジア人の方が有利な理由、ナタリアおすすめのポーランド人監督の作品などを聞いてみました。

 

私とナタリアは同じ大学の同じ学部に同時期に入学し、かれこれ3年の付き合いになります。今回のインタビューでは、多忙な大学生活を送りながら、演劇学校へ合格するための努力も日々欠かさない彼女に、夢を叶えるための心構えも教えてもらいました。

 

ところどころナタリアのインスタグラムのリンクを貼っているので、是非フォローしてください!

 

ちなみに彼女へのDMはできればポーランド語か英語でお願いしますが、「日本語でも何とかなるから大丈夫よ!」と彼女が言っていたので、日本語もOKだそうです。(私でよければ訳すので、ナタリアにコンタクトしたい方は問い合わせからでもどうぞ!)

 

 

 

 

幼少期から大学生の現在まで

 

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ナタリアのインスタグラムはこちら

 

―まず、ナタリアの幼少期についてと、どんな経緯で演技に興味を持ったか教えてくれる?

 

正確にはいつ興味を持ち始めたとか分からないんだけど、(日本でいう)小学校、中学校、高校と、ずっとダンスや演技、ポエムが好きだったの。

 

中学校の時の放課後活動で、半年に1度演劇をするクラブに入って好きで続けてたの。地域や国の大会に出場する機会もあったわ。

 

―じゃあ、何か大きな目標を持って演劇を続けていたっていうよりは、好きで、情熱を持って楽しんでいたってことかな?

 

ええ!別に将来何億も稼ぐ女優になりたいとか、有名になりたいって思ってたわけじゃないの。

 

―今は演劇の学校に行こうと勉強や練習を頑張っている最中だけど、どこで気が変わったの?

 

生まれ故郷に住んでいた中学生の時、ワルシャワへ研修に行かせてもらえる機会があって、シアターを訪問して、俳優たちに話を聞いて、もちろん実際のショーも見たり、裏方も見学したり、演劇学校の先生に話を聞いたり・・・って盛沢山だったの。その訪問した学校のことがすっかり気に入っちゃって。

 

そこは魔法にかかるような場所だって思ったわ(笑)

 

―その研修は無料だった?

 

いいえ。いくらか払ったけど、食費、宿泊費、交通費、演劇のチケットが含まれたことを考えると、かなり良心的な価格で機会を提供してもらっていたと思う。

 

 

現実も考えてサポートしてくれる家族

 

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―「もっと現実的になりなさい」「そんなことは辞めて定職につきなさい」とか言う親御さんも世の中にはいるけど、家族はいつもナタリアの夢サポートしてくれる?

 

両親ともいつも「簡単じゃないよ」って言うけど、実は私の父がプロのサッカー選手だったこともあって割と理解のある家族だわ。

 

試験準備のために行っている学校の費用は両親が払ってくれているから、サポートしてもらっていると言えるわね。

 

1つだけ約束したのは、演劇の学校に入れなかった場合、別の専攻で大学を卒業すること。だから今大学で国際関係学を専攻しているの。政治とか世界情勢は結構興味があるから学ぶのは楽しいよ。

 

去年の演劇学校の試験にも落ちちゃったけど、大学の勉強も演劇の勉強もずっと続けているわ。

 

演劇学校の試験はもう2回挑戦しているけど、試験勉強を本格的に始めたのはちょうど大学に入学した時だから、3年目に突入したわ。

 

もしこの期間大学に行っていなかったら、3年間演劇の勉強しかせず、何の学歴も持てなったでしょうね。

 

―大学に行くっていうのはナタリアとしてはプランBだった?それとも、大学に行きながら演劇の勉強も続けることが元からの計画?

 

プランBだったけど、今となってはプランBを選ばざるを得ない状況だったことに感謝すら覚えるわ。

 

大学生活を通して、世の中の動きがもっと分かり、人間として成長できているから。

 

―社会の仕組みはもちろん、人の感情がどんな風に動くかも身を持って体験しているから、自分の演じる力の向上に繋がっているのかな。

 

その通りね。

 

 

ポーランドの演劇学校について

 

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―ポーランドで演劇学校に入るのってどのくらい難しい?あと、選考のプロセスはどんな感じ?

 

私の行こうとしている学校は毎年20人しか生徒を取らないんだけど、毎年、だいたい両性が半分ずつになるようにバランスが取られているの。

 

試験は年に1回だけ

 

女性は、毎年800人位がその10人の枠を狙って応募しているわ。男性枠の応募者数は300人ほどだから、相対的には男性枠の方が女性枠より合格率は高いのよね。

 

大学の記述試験とは違って、審査員と話す中で合否が決まるから、その審査員に気に入られるかどうか審査員との相性が良いかってういう運も大事になってくるわ。

 

着ている服、話し方、食べ方、全部見られてるの。

 

―審査員のその日の気分にも寄っちゃうってことね。

 

4~5の試験部屋があるんだけど、入る部屋が1つ違っただけで合否が分かれてしまうことなんてざらにある。

 

―筆記試験もある?

 

学校によるけど、大概、まずは歌唱力を試されるわ。あとポエムの朗読とスピーチ。それはトータル3分程度の短い試験。ここを通過できるのが約100人中20人ってとこかしら。

 

次もすることは一緒なんだけど、試験官の数が増えるの。

 

そして、最終試験は、数日間に渡って行われるの。毎日違う試験官の前で歌唱やダンスをしたり、ポエムを読んだり、もちろん劇をしたり。

 

最後の最後は、試験官全員の前でパフォーマンスをするの。演劇に関する質問も聞かれるから、演劇や作品についてもしっかり勉強しておく必要があるわ。

 

―試験を受けるのってどれくらいのお金がかかる?

 

学校で受ける試験自体は150ズウォティ(約4,300円)払うんだけど、交通費や宿泊代なども含めると、試験を受けるのに年間1,000ズウォティ(約3万円)くらいは費やしていると思う。

 

―その演劇学校に行った人は皆が俳優としてキャリアを積めているの?それとも運も必要?

 

人によるけど、演劇学校にいれば、その界隈でコネクションを持っている先輩や友人から情報が貰えるから、TV番組や劇場で活躍チャンスはその学校に入る時からスタートするの。

 

残念ながら一切チャンスに恵まれなかった場合、役者としてのキャリアは積めない可能性もあるわ。

 

その時は、役者を育てる側、つまり先生になるかもしれないね。

 

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―学校は何年間?

 

5年間。

 

―学校の制度はどんな感じ?大学みたいにほぼ毎日授業に行く?

 

イメージとしてはそうだけど、役者になるための学校だからもっと身体を動かすことが多いね。

 

ただ、大学よりは拘束時間が長いことが多いと聞いたわ。他の生徒とも協力しないといけないから、夜中の2時までリハーサルがあって、次の日は8時には起床して授業へ行くなんて日もあるんだって。

 

―基本的に演劇学校に行っている間、学校以外で何かするのは難しいのかな。

 

そうね。四六時中演劇について頭も身体も使うから、特に1年目は学校生活に慣れるのに大変らしいわ。

 

―試験も受からないと進級できない?

 

そうよ。1年生が終了した時点で、学校の活動にしっかりとコミットしていなかった人は学校から追い出されてしまうの。

 

―著名な役者が輩出されてるからっていう理由もあってこのの演劇学校を選んだの?

 

ええ。あと、ポーランドでは公立の演劇学校を卒業していないと、役者としての仕事を貰うのはほぼ不可能なの。

 

公立の演劇学校はワルシャワ、クラクフ、ポズナン、ウッチにそれぞれ1校ずつだから、ポーランド全体では4校。

 

ー子役以外の一般人は役者として活躍できない?

 

そう、10代かそれ以下の時に運良く選ばれない限りね。

 

―オーディションを受けるのに演劇学校の卒業証書とか提出するとか、何か証明しないといけないの?

 

ごくたま~に証明書無しでも受けることのできるオーデションはあるわ。でも、本当にレアなケースよ。

 

大抵の場合、指定された学校の卒業者でないとオーディションを受けることさえできないの。

 

 

ガイジンの方が有利!?な理由

 

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―私みたいな外国人でもポーランド語を完璧に話せたら、ポーランドの演劇学校には入れる?それともポーランド市民じゃないとダメ?

 

もしあなたがポーランド語を流暢に使えるなら、演劇学校に入れる確率はポーランド人よりぐっと高くなるわ。だって、あなたはDifferent(異なる)だから。

 

―ナタリアは英語をほぼネイティブ並みに話すけど、そのスキルは演劇学校に入るのにプラスにならないの?

 

ならないわ。ポーランドには私みたいな金髪の白人はいくらでもいるわ。マーケットに必要とされるヴィジュアルってあるじゃない?

 

あなたのようなアジア系はもう外見が違うからすごくユニークな存在として引っ張りだこになる可能性大よ。

 

―実際にポーランドの演劇学校に入れた外国人はいる?

 

ポーランドで生まれ育った人なのかもしれないけど、昨年アジア人男性が合格したのを知ってるわ。

 

 

ナタリアの続く挑戦

 

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ナタリアのインスタグラムはこちら

 

―意地悪を言うつもりは全く無いし、ナタリアが合格できることを願っているんだけど、もし残念ながら不合格が続いた場合、何歳まで挑戦を続けるつもり?

 

分からないわ。でも、今年28歳の友人がクラクフにある演劇学校に合格したの。正直ビックリしたわ。彼女の年齢になるとそもそも挑戦を辞めてしまうの。

 

ただ、実年齢ではなくて、見える年齢で挑戦することもできるわね。例えば30代だけど、20代に見える外見であればチャンスはあるかもしれない。

 

―元々実年齢より上に見える外見だと、挑戦できる期間が短くなりやすい?

 

既に経験を積んだ素晴らしい役者は40代以上には沢山いるから、学校や業界側からすると「なんであなたに時間を割く必要があるの?」って感じでしょ。相当な何かを持った役者でない限りね。

 

―今は演劇学校の試験のために、個人的にレッスンへ通っているよね?

 

前学期までは個人レッスンを1年ほど続けていたんだけど、今学期に入って大学の勉強の忙しさが増したし、金銭的にもちょっと余裕がないから、一旦ストップしてるの。

 

今学期が終わったらまたレッスンを再開するつもりよ。

 

―舞台で活躍したい?それともテレビドラマとか映画?

 

両方。

 

映画には出たいと思うわ、給料も良いしね。

 

でも、役者としての実力を試されるのは舞台の方だと思う。

 

スクリーン上での演技は誰でもできると思うけど、演劇は本番のチャンスが1回しかないから、何度も失敗して撮り直しなんてできないわよね。

 

 

演じることの難しさ

 

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ナタリアのインスタグラムはこちら

 

―演じることについて、一番難しい感じるポイントはどこだろう?

 

上手く感情的になることね。

 

例えば、私生活ではプロポーズされた直後でとても幸せな気持ちの時でも、役者としては息子を亡くなした直後の母親を演じなければならない、なんて状況の時は、自分の気持ちを無理にでも切り替えなければならないわよね。

 

あと、一度入った感情から抜け出すのが難しいと感じることが時々あるわ。

 

悲しい役を演じた後すぐ、何事も無かったかのように友人たちと会って元気な姿を見せるなんてことは、“普通の”生活上はない状況でしょ?

 

自分自身に「私は悲しいの、みじめなの、落胆しているの」って納得させておいた1時間後には、「私はとても楽しい気持ちよ」って納得し直さないといけないのは結構大変なだわ。

 

 

夢に向かうあなたへナタリアからのメッセージ

 

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ナタリアのインスタグラムはこちら

 

―何か目標を達成したい時には戦略的になる必要があると思う?

 

ええもちろん!私が目指しているような役者など、アーティスティックな仕事は特にね。

 

歩き方、ドレスアップの仕方、食べ方、笑顔の仕方まで全部見られてるから。

 

何を目指すのであれ、何か物事を成し遂げたいなら、戦略的にいかなくちゃね!

 

―最後に、夢を追いかけているけどなかなか叶わないで、諦めようとしていたり、しんどい思いをしている人へ、共感できる部分のあるナタリアからメッセージ・アドバイスをお願い!

 

私はバイトで5~6歳の子たちに英語を教えいて、学生としては結構良い給料を貰っているんだけど、時々すごくストレスと緊張を感じて今すぐにでも辞めてしまいたいと思うことがあるの。

 

幼い頃は、良い給料があれば仕事を辞めることはないだろうって思ってたんだけど、今はそんなことはないって、体験したから分かるわ。

 

だから、仕事はもちろん仕事なんだけど、緊張やストレスを常に感じてしまう仕事ではなく、自分が楽しめることを選んだ方が良いと思う。

 

自分が好きだと思えることが見つかっているのであれば、より良い生活をするために給料が高いという理由だけで全く別の仕事を選ぶのは避けた方が良さそうね。

 

残念ながら今私には金銭的な理由もあって他に選択肢が無いけど、仕事をドタキャンしたりして自分の人生を投げやりにすることはないわ。

 

きちんと毎日起きて、月曜日でも「今日は素晴らしい月曜日!最高!さあ行くぞ!」って感じで自分にエンジンをかけて、自分でムードを作るのよ!

 

 

おまけーおすすめのポーランド作品

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ナタリアいわく、ポーランドの映画作品は90年代が全盛期だったらしいので、少し古い作品が中心になりますが、彼女が好きな監督も含めていくつかご紹介します。

 

英語ですらあまり動画が無いので、作品によってはポーランド語が分かる方限定になってしまいますが、興味のある方は頑張って探してみてください(笑)

 

ポーランド語の響きを聞いてみたい方も是非チェックしてみてくださいね!

 

Juliasz Machulski(ジュリアス・マチュルスキ)


"Seksmisja"/"Sexmission"

 

ナタリアは彼の作るコメディー映画がお気に入りとのこと。SexmissionKillerVinciがBestな作品だそうです。

 

上の動画はSexmissionのひとコマ。英語の字幕があったので引っ張ってきました。

 

 

Andrzej Wajda(アンジェイ・ワイダ)


Jane Fonda presents an Honorary Oscar® to Andrzej Wajda

 

アカデミー賞受賞経験があったり、日本で設立された高松宮殿下記念世界文化賞を授与されたこともあり、日本でもご存知の方が多い監督かもしれません。

 

残念ながら2016年に亡くなられていますが、彼がポーランド、世界の映画界に残した功績は偉大なことでしょう。

 

動画では2000年の第72回アカデミー賞にて名誉賞を受賞した際のスピーチが聞くことができます。1分50秒あたりからご本人の登場です。

 

 

Pawel Pawlikowski(パヴェウ・パヴリコフスキ)


Cold War | Official UK Trailer | Curzon

 

数々の賞を獲得した『COLD WAR あの歌、2つの心』という2018年公開の作品は、マチュルスキ氏やワイダ氏より1つ下の世代であるパヴェウ・パヴリコフスキ氏が映画監督を務めました。

 

この作品は冷戦下のポーランドとフランスが舞台となっています。

 

ザ・ヨーロッパの芸術、雰囲気を垣間見てみたい人におすすめです。

 

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