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【ポーランド】19年議会選挙経て未来を担う若者の声|性教育・宗教・性的マイノリティ・少子化対策

 

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この記事はこんな人にオススメです
  •  ポーランドの政治について知りたい人
  •  ポーランドの若者の意見を聞いてみたい人

 こんにちは、Ayakaです。

 

2019年10月13日、ポーランドでは上院と下院の議会選挙が行われました。

 

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結果は与党(法と正義)の勝利。

 

詳しくはニュースウィーク日本版ビジネス短信ロイター通信などを拝読していただければと思います。

 

一般の新聞やネットニュースには、やはり専門的な解説や統計が多く(もちろんそれがメディアの仕事であるので)、

 

実際のところ、将来を担うポーランドの若者世代が、政治や今回の選挙結果をどう見ているのか気になったので、2人ポーランド人大学生インタビューしてみました。

 

今回は、先にインタビューをしたポーランド人大学院生Aとの対談を、第1弾として載せさせていただきます!

 

 

 

 

これ(選挙前)までの政権について

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画像引用元:Law and Justice - Wikipedia

 

ー率直にまず、今のポーランドの政治をどう思ってる?

 

今のところ、特段、私の生活が個人的に脅かされていると感じているわけではないんだよね。

 

家から出られないとか、そういうことではないの。

 

ただ、政府が行っている政策に反対する部分が結構あるわ。

 

ー具体的に、あなたの懸念している政府の政策は何?

 

色々あるけど、特に2つが大きな懸念だわ。

 

1つは子どもがいる家庭にお金をどんどん与えている政策ね。

 

500+という政策を政府が取っているんだけど、子どもが18歳になるまで、その過程は、毎月1人あたり500ズウォティ(約15000円)貰えるの。

 

もちろん、子どもを育てるのってお金がかかるし大変だから、金銭的支援を受けることができるのは良いと思うけど、お金をただ与え続けるのは良いアイデアだとは思わないわ。

 

きっと、きちんと職についていて、収入があり、家庭を持とうとする人たちは、そういった政府の金銭的支援がなくても自分たちだけで家計を賄えるはずよ。

 

でも、何もしなくても、つまり、子どもを作って産むだけで、18年間毎月定期的な収入が保障されているなら、「学校へ行かなくても、働かなくても、何のスキルを持っていなくてもいいや!ただ子どもをどんどん産めばいいだけ」

 

という安易な考えをする人が、楽をしようするわ。

 

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正直500ズウォティって、海外旅行に行けるとか、より質の高い教育を受けさせるとか、そういった子どものためになることができるような額ではなく、日々の生活を多少手助けするような額よ。

 

子どもは将来成長して18歳を超えるってことを、大人は忘れがちよ。つまり、18歳を超えるともうその500ズウォティは入ってないの。

 

でも、18歳ってまだ子どもよ。

 

ーだよね、その先も進学したければまだまだ出費は重なるしね。

 

その通り。

 

誰もが子どもを持てるような社会はいけない、とは言いたくないけれども・・・。

 

「OK~、じゃあ子ども5人作って、働かなくてもいいようにしよう~」って考える人も出てくるわよ。

 

ー政府は、子どもを持つ家庭からの票を意識してこの政策を行ったってことで合ってるかな?

 

そうそう。

 

私が見た統計によると、小学校しか卒業してない人や無職の人の多くが法と正義(与党)に投票したの。

 

繰り返すけど、そういった人たちにとっては、この政策は無償で手に入るお金なの。

 

ただ、少し考えれば分かるはずだけど、これって自滅する政策よ。

 

国(ポーランド)自体にお金が無いのに、一体どこから資金調達するの?国民から取ったお金をばら撒いているだけよ。

 

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これを続ければ、税金を上げないと維持できなくなるから、しわ寄せは結局自分たちに押し寄せるだけなのに。

 

ーあと、親にお金がいくんだったら、教育とか子どもの為じゃなくて、彼らの娯楽のために使われてしまう可能性だってあるよね。

 

そうだよね。そういう心配もあるね。

 

ーもう1つあなたが懸念している法と正義の政策は?

 

性教育

 

端的に言うと、法と正義は性教育を学校から徹底的に無くして、先生に教えてほしくないの。

 

法と正義は「性教育をすれば、早いうちから性的関心が高まってしまって、モラル的に良くないことをするようになるし、キリスト教の教えに反するし・・・」という主張をしてるわ。

 

こんなこと言う人たち、ホント馬鹿だと思うけど(泣)

 

ー性教育=セックス、って思い込みすぎだよね。

 

別にセックスに関して教えたとしても、その行為をするかしないかは、個人の選択なのに。

 

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私には、もちろんまだ子どもいないけど、将来子どもを持つとしたら、その子には学校で性教育を受けて欲しいと切実に思うよ。

 

例えばさ、将来自分の娘が妊娠したとして、妊娠する前にしっかりと、避妊方法性的同意について知っていてほしいわ、

 

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残念なことに、処女はセックスをしても妊娠しないっていう説を信じている人がいて・・・。

 

政府がそういうことを、若者に本気で信じてほしいと思っている事実は酷いとしか言いようがないわ。

 

「毎回相手に合わせて、要求を飲む必要はないんだよ」「自分がしたいと思う時を、自分で選んでいいんだよ」「その時が来るまでにきちんと準備しとこうね」ってことを教えたいだけなのにさ。

 

なんでこれがダメなのか、本当に分からない。

 

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ーあなたが大学生になるまでに性教育は受けた?それとももう政府はカリキュラムを変えてしまってたの?

 

う~ん、一応、性教育なるものがあったんだけど、ほぼ何も学んでないよ。

 

私の場合は、お母さんが性に関して隠すタイプではなかったから、大事なことは家で知ったわ。

 

以前、別の子にちらっと聞いたけど、生物学的な話が中心だったらしいね。

 

そうそう。だから、精神面・感情面の話は学校ではしてないわ。

 

 

2019年の議会選挙について

 

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ー今回の選挙は投票しに行った?

 

いいえ、投票してない

 

ー行かなかった理由を聞かせてもらえる?

 

選挙当日、住所を登録している地元にいなくて、身内の都合で病院に行ってたんだよね。

 

他に投票方法はあったんだけど、それだと選挙当日よりも前に登録手続きを済ませてないといけなくて・・・。

 

身内の方が、選挙より大事だから・・・。

 

ー投票方法にもっとバリエーションがあれば投票できたと思う?

 

そうね、オンラインで投票できるようになれば、選挙に参加する人は増えるはずよ。

 

ただ、私の場合は、投票したい!と強く思える政党も候補者もいないことが投票しなかった大きな理由ね。

 

投票するならこの政党・候補者だろうなって思いはあるけど、その政党・候補者が良いからという理由でではなくて、他に選択肢が無いからっていう理由で投票しちゃうと思うわ。

 

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法と正義(与党)のアイデンティティについて

 

ー現政権に関して評価できることはある?

 

う~ん(暫く考える)・・・。

 

経済政策かなぁ。

 

個人的にはあまり経済政策に興味が無くて、もっと社会的なこと、例えば、言論の自由とかを気にするから、経済については詳しくはないんだけれども。

 

正直ポジティブなことはあまり言えないかな。

 

法と正義(与党)はキリスト教の教えを非常に大事にするし・・・。

 

今回の選挙では、市民プラットフォーム(最大野党)にかなり落胆したわ。市民プラットフォームはほぼ何もできなかったと思ってるから。

 

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画像引用元:Analysis: Civic Coalition hostile acquisition of left’s assets (polandin.com)

 

法と正義は、今とても強い政治家の集団だと思うわ。強い反対勢力が多くはないし。

 

ー野党勢力が与党になったとしたら、何が政策になるの?

 

性教育を取り戻そう・取り入れようとか、一部の政党は中絶を完全に合法化したがっているよ。

 

言論の自由信条の自由がより保障され、LGBTQも含め、誰もが自分をありのままに表現できる社会にすることなどを訴えているわ。

 

経済政策に関しては、私はそんなに興味がなくて、情報を詳しくは追ってないから、分からないけどね。

 

ー投票の傾向や政治的関心において、若者と高齢者で世代間ギャップはある?

 

あんまり、年齢を基準にして考えない方がいいかもしれないわね。

 

若者にも、高齢者にも。保守的な考えの人も、リベラルな考えの人もいるから。

 

年代関わらず、熱心なキリスト教信仰者は法と正義を支援する傾向が高いってことは言えるけどね。

 

ー法と正義のアイデンティティは、LGBTQへの不寛容、性教育の廃止、中絶の禁止にあるってことかな?

 

法と正義に投票した人、法と正義の政策を支持する人、法と正義に属する人全員が良くない、と言いたい訳ではないことは伝えておきたいわ!

 

自分と意見が異なるからといって、その人が悪い人だと決めつけることはできないよ。

 

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野党と与党の比較

 

ー選挙結果を見ると、与党も最大野党も前回より議席数が減ったのだけど、The Leftという野党がかなり議席数を伸ばしてるんだよね。これはどうしてだと思う?

 

前回の選挙で、左派は結構なめちゃくちゃ具合だったの。

 

小さな政党がいくつもあったんだけど、協力して議席数を伸ばすことをしなかったんだよね。

 

今回は、いくつかの野党が1つのグループになることを決めて、勝率を上げることにしたのが、私の考える、一番の理由だわ。

 

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完璧ではないけど、正直、私が思っていた以上に上手く選挙に臨んだ印象よ(笑)

 

もう分かってると思うけど、私は法と正義がそんなに好きではなんだよね。

 

ただ、法と正義は政治的に“上手い”と言いざるを得ないわ。

 

法と正義に関しては、嫌いな政治家だとしても、名前と顔くらいは知ってるし・・・。

 

反対に、野党勢力は基本与党の政策に反対しているだけでほぼ何もしていないから、野党のリーダー以外は名前すらあまり憶えてないし・・・。

 

認めるのは悔しいけれど、法と正義の政治家には、政治をよく分かっていて、カリスマ的な存在が結構いるわ。

 

自分たちに都合の良い人々にお金を与えて(500+のこと)投票を集め、その人々が使ったお金を結局は500+の資金にして・・・。

 

もうスゴイわ!(苦笑)

 

あと法と正義が強いのは、カトリックの教会と密な繋がりがあるというのも理由の1つよ。

 

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ー教会との繋がりとはどういうことかな?

 

ポーランドのカトリック教会の多くは、LGBTQなど性の多様性や、性教育、中絶に関して法と正義が取る政策を好むから、裏で教会が法と正義を支援しているのはバレバレなのよ。

 

法と正義側も、教会と繋がることはメリットしかないしね。

 

信仰熱心な人たちは、教会が支持する政策を支持するんだし。

 

ーポーランドには政教分離の考えはないの?

 

もちろんあるわ。

 

でも気にする人なんていないわ。

 

法と正義は一番強い政党だから、はっきり言って、好き勝手できるし・・・。

 

教会と法と正義は、公式に互いを支援していることを表明しているわけではないの。だけど、繋がりがあるのは誰の目にも明らかなわけ。

 

 

これからの政治に望むこと

 

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ーこれからのポーランド政府に望むことは何?

 

難しい質問ね。

 

子どもを支援しているのなら、私たち学生も支援してほしいわ(笑)

 

ただ、個人的に政府に特別してほしいことは無いね。

 

法と正義と私の考えは根本的に違うから、今後4年間は、あまり何も期待しない。

 

ー今回の選挙で与党を維持した法と正義だけでなく、もっと長期的に、今後ポーランド政府に臨むことはどんなことかな?

 

個人の自由に生きさせてほしいわ。

 

例えば、

 

宗教の考えを政治に持ち込んで人々に押し付けるようなことをしない、

若者が性教育を通して知識を持つことができるようにする、

子どもに無償でお金を与えるのではなく、職探しの支援に資金を回す

 

などが思いつく案ね。

 

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特に疑問に思っているのは、なんで同性婚が未だに禁止なの?ってことなんだけど、これは本気で何故ダメなのか分からないわ。

 

ポーランドだけではなく、まだ世界中の多くの国々で、同性婚は異性婚と同等の権利が認められていないよね。

 

だから、同性婚が合法になる度に、世界中で大きなニュースになることが悲しいわ。

 

なんで性別によって結婚できるかどうか決められているの?

 

これは本当わからない。

 

ーこれからの政府は、必要な公共サービスを提供し、他人に迷惑をかけない限り、最大で個人の自由を許し、人々の生活に干渉しない方向を目指すべきだ、ってことで合ってるかな?

 

そうそう!それが言いたかったこと!

 

 

最後に

 

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私もインタビューを受けてくれたAも、ポーランドの政治の専門家ではないので、必ずしも全てが正しい情報だとは限りません。

 

独断と偏見で、主観に基づいた一個人の意見であるため、他のポーランド人やポーランドの政治に詳しい人、専門家に聞けば異なった見解が得られる可能性が高いです。

 

ポーランドの意見を代表しているわけではなく、あくまで個人の主観に基づいた見解であることを再度お伝えした上で、今回のインタビューを締めくくります。

 

日本に留学中のBにもインタビューをした第2弾も公開しているので、是非読んでみてくださいね。