こんにちは。Ayakaです。
当ブログのヘッダーを変えなければと思いながら、ずっと先延ばしにしております。
先延ばしと言えば、私には、このコロナウイルスの世界的流行により、日本への入国日が2度延期されたアメリカ人の友人Aがいます。
アメリカに限らず、日本でも、他の国々でも、今回のパンデミックにより、計画を変更せざるを得なくなってしまった方、中止しなければならなくなった方、今も苦しい状況にいらっしゃる方など、
今この記事を読んでくださっている皆さまが様々な状況にいらっしゃることと思います。
ただ今回は、生まれも育ちも現在の居住地もアメリカで、コロナウイルスが流行り始め前から今日(2021年1月)まで、アメリカの一若者として、五感で感じている現状を話してくれる友人Aが私(筆者)にいる、この幸運な状況を活かし、
・アメリカの若者の大学卒業後の就職事情
・アメリカでインターンシップやパートタイムなど非正規な働き方が意味すること
・コロナ禍で2回延期されているAの日本への渡航の背景
・厳しい状況下でのAのモチベーションの保ち方
等について、アメリカ、特にアメリカの若者にフォーカスして話を聞いてみました。
インタビュー記事にはいつも書いていることですが、Aや私の考えや状況の表し方は非常に主観的なものです。
適宜資料を参考にするようにしていますが、学術的な裏付けが完全にできている発言内容ばかりではないこと、アメリカの若者全員に当てはまる話ではないことをご了承ください。
それでは興味のある方、レッツゴー!
度々変更される入国制限に翻弄される若者
―大学卒業後のもともと計画していた予定はどんな感じだったの?
2019年に大学を卒業した後、英語を教えるインターンシップをしに日本へ来ていたの。
※ここで指すインターンシップとは、数か月以上、フルタイムで働く方とほぼ(全く)同じ業務を行い、就業経験を得ることです。日本でよくある数日で終わる会社説明会のようなインターンシップとは内容が大きく異なります。
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そのインターンシップ終了後、アメリカに帰って、2020年に語学指導等を行う外国青年招致事業(JETプログラム)で外国語指導助手(ALT)として日本に来るまでの間は、アメリカでアルバイトをする予定だった。
▶外部参考記事:JETプログラム(外国青年招致事業)とは?【国際交流員と日本語】|グローバル採用ナビ
JETプログラムに応募してから選考を受けて、合格して、日本に渡航できるまでに、約1年かかるから。
だから、その期間だけはアメリカで働いて、生活できる程度には収入を得ることが当初の計画だったわ。
―なんで日本をインターンシップ先に選んだの?
大学在学中に日本に短期留学したことがあったから、日本のことは他の外国より身近に感じているし、好きだから、また行きたいと思っていたの。
―ただ、コロナウイルスの世界的流行で、世界中の多くの国であらゆる活動がストップしてしまい、日本への渡航が延期されてしまったのよね?
もともと2020年9月に日本へ入国する予定だったんだけど、8月に「日本へはまだ行けません」って通告されてね。
日本へ渡航する前には辞めようと計画していたバイトを続けることにして、次いつ渡航できるようになるのか分からないまま、待ち続けたの。
2020年11月になってようやく「2021年1月上旬に日本に行きますよ~」って伝えられたんだけど・・・。
クリスマス辺りの日にちにまた「やっぱりまだ入国できませんよ~」って言われてさ。
▶外部参考記事:全世界からの外国人の新規入国 28日から1月末まで停止 政府 | 新型コロナウイルス | NHKニュース
―なんて最高なクリスマスプレゼントだとこと。
今までで最高のね。
その知らせに加えて「年末年始だから私たち(JETプログラムを統括する)事務所も暫く閉まるからね~」って同時に伝えられてさ。
いきなり爆弾落とされて、バイバイって言われた感じがしたわ。
―あなたは、強制ではないけど、日本への渡航前に、アメリカで2週間自主隔離しておけるよう、アルバイトを辞めていたのよね?
仕事を辞めた5日後に、日本への渡航が再延期される知らせを受けたから、「ああ、なんてこったい」と思ったわ。
驚いたのは、日本で私のことを待ってくれている学校の先生が、私が1月に到着できないことを、私が伝えるまで知らなかったことよ。
てっきり政府かJETプログラムを統括する人か、誰かから連絡がされていたと思ってた。
私たちALTは教育のために日本に行くのだから、観光目的ではないし、14日間の隔離もしないといけないから、学校の先生はALTの日本への入国は例外になると思ってたんだと思う。
実際私も、教育者の入国制限は例外になると思ってた。
シンガポール、オーストラリア、ニュージーランドからのALTは2021年1月上旬までに既に日本へ入国している/する予定だってことを聞いていたしね。
まぁアメリカは桁違いに感染者が多いから、仕方のないことかもしれないけど。
―今からもう一度、辞めたアルバイト先に戻ることはできる?
戻ろうと思えば戻れるけど、正直に言うと、生活の足しにするためだけにしていた仕事だし、業務内容が好きではなかったから戻りたいとは思わないな。
あと、辞める前に給与の一部未払いでそのアルバイト先の会社と少しトラブルがあって、今も私はまだ「ちゃんと払って」って要求中だしね。
パンデミック前から厳しいアメリカの若者の雇用情勢
―アメリカではこのコロナ禍で、あなたのような学士号を取得している若者が、フルタイムではなくパートタイムで仕事をすることは、一般的なの?
「大学を出た若者が低賃金/単一労働をする」という状況がパンデミックによって拍車がかかった一面はあるけど、
コロナがどうこう関係なくもともとアメリカでは、大学を出ることだけには、人生に何の保障ももたらされないの。
学生の時から既に何かしらの人脈を作って/持っていないとね。
若しくは、幸運なことに、家族や親戚の知り合いのおかげで企業・団体の人とコネクションがあるとかでないと。
学士号を持っていたとしても、特に若いうちは、人脈という運に自分の経歴/職歴/キャリアが大きく左右されやすいわ。
―あなたが大学卒業後、日本でインターンシップをしたのは、人脈を作るためでもあった?
そうね。その方が(日本で言うところの)正社員になるよりも簡単だし、雇用形態を問わず一度会社に入ってしまえば、社内や業界の人とコネクションが作れるでしょ?
だから、そのまま正社員に登用されたり、次の仕事が得やすくなることがある。
でも、アメリカでのインターンは本当に使い倒しみたいなの身分なのよね。
時給が低いことは当たり前だし、フルタイムと同じ業務内容をさせるのに、交通費だけ出す会社、更には一切賃金を出さない会社まである。
―なんだか「アメリカの若者はどうやって生きろって言うの!?そんなの生きるか死ぬかのサバイバルゲームみたいじゃん」って思ってしまう。
「若者は怠惰だ(lazy)」って言う人もいるけど、そんなことないわ。
―むしろ法律を変えない、会社の方針を変えない上の層の方が多くの若者よりよっぽどlazyよ。
大人は「学歴を持たないと!職歴を持たないと!lazyに過ごしてちゃだめよ!」って言ってくるけど、学生として勉強時間も確保しながらしっかり職にも就いておくなんて私には無理よ。
他の多くの学生もそんなことできない人が多いけど、それが当たり前だと思うし、私はそれで良いと思うわ。
―そうよね。学生は勉強が仕事よ。学業と経験を積むための職業を両立させないといけないって言うなら、学校や会社のシステムをまず変えないと無理だわ。
なのに、若者がいざ仕事へ応募しようとすると、求人票には「〇年以上の経験が必要」って書かれてるの。
仕事をくれないのに、どうやって経験を積めっていうのよ!!!怒
―私も興味本位でアメリカの求人を見たことがあるけど、ビックリしちゃった。
エントリーレベルの仕事でさえ1~3年、時には5年以上の同じ業界・業種での職歴を求めていたわ。
こういう求人を出す側の人に「あなた、エントリーの意味、ご存知?」って聞きたいわ。そういう求人のどこがエントリーレベルよ!
だから、新卒でフルタイムの仕事が得られるかどうかは、この国では、もはや運次第と言っても過言ではないね。
この際だから言わせてもらうけど、だいたいね、その業界で既に3年もフルタイムの経験を持っていて、大学を卒業した24歳の若者なんてどこにもいないわ。
学生期間中、私たちは勉強してるのよ!
―そういう厳しい雇用状況だから、コロナウイルスの流行どうこうの前に、そもそもアメリカでは、大学生のうちから、できるならそれ以前から、企業内の人と人脈を作っておくことが大事なのね。
インターンシップの経験、そこでのコネクション作りが私が大学卒業後にインターンシップをした理由の1つ。
あと、それまでに英語を教えることを仕事として経験したことがなかったから、という理由もあるわ。
英語を教えることが「自分のしたいことか。自分に合っていることか」を見極めるためにも、いきなりフルタイム(正社員)で働き始めるのではなくて、インターンシップで経験しておきたかったの。
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それでも私はラッキーなの!
―パンデミックのせいで、もともと日本へ来る予定だった日が延期されて、挙句の果てには、フライトに乗る前に自主隔離するために仕事を辞めた5日後に再度日本への渡航が延期されて・・・。
今(2020年1月14日)も、いつ日本に来てキャリアをスタートできるのか、全く見通しの高い不確実性の高いこの状況下で、精神的にしんどいはずだけど、あなたはどうして弱音を吐かず、踏ん張っていられるの?
もちろん厳しい状況だし、何度も計画が変更されていることは残念でならないわ。
私だって人間だから、落ち込んでしまう時、「こんなことやって何の意味があるの?」とやる気が出なくなってしまう時はあるよ。
誰しもが常に良い時ばかりを過ごしているわけではないし、誰にでも弱くなってしまう時はあるわ。
でも、じっと座って、ただただ悲しんでいても状況は一向に改善しないよね。
それに、今回起こっている不運なことは、全くもって私のせいじゃない。
今私ができることは、日本に行けるようになるまでの期間働く所を見つけること!
ただ、何もしないことに飽きたから仕事をしたい、何かしておきたい、という気持ちがあるのも正直なところだわ。
辞めてしまった仕事場で、結構頑張って働いて、ある程度の資金を貯めていたことへの反動なのか、辞めて3週間が経った今では、もうこの何もしていない状況に飽きてしまったのよね。
身体がね「仕事がしたい!何かしたい!何かさせて~」って叫んでるの(笑)
あと、私は自分がいかにラッキーであるかを、個人的に、覚えていないといけないと思う。
今私は家族と住んでいて、家賃や光熱費を払っているけど、一人で住まざるを得ない人と比べたら、その額ははるかに少ないし、
パンデミック前に、家やアパートに移り住もうと計画していた人たちの中には、リース契約が交わせなくなって、住む場所が無くなってしまった人もいる。
この時期に学校が始まったばかりの人たちの状況がどれほど大変なのかは想像もつかないわ。
私はもう卒業しているからこの時期に学校に行かなくていいけど、右も左も分からない新入生の授業が最初からぜ~んぶオンラインだなんて!
学期途中でいきなり実家に帰らざるを得ない状況に陥ってしまった学生もいるでしょうね。
※Pew Research Centerによると2020年の5月~7月の時点で、アメリカの52%の若者が親と暮らしています(2019年同時期は47%)。
▶引用元:52% of young adults in US are living with their parents amid COVID-19 | Pew Research Center
仕事を失った人や、学校を卒業したはいいけど仕事を得られない人のこと、色んな状況に置かれている人のことを考えると、
「確かに私の状況は良くないわ。でも、少なくとも私には住む場所がある。アパートを探す必要もないし、少しの間仕事が無くたってなんとか生きていける。」って思うの。
幸い、私の母も兄もコロナ前からある仕事を続けられているし、2人の収入が減ったなんてこともない。
▼もっと知るために見たい!

How Unemployment Impacted Millennials During Coronavirus by CNBC Make It.
―あなたの身近な人に、残念ながら、会社の業績悪化、見通しの不透明さ等で解雇されてしまった人、仕事が見つからない人、仕事のオファーを取り消されてしまった人はいらっしゃる?
パンデミックが始まった初期の頃、仕事を解雇されてしまった友人がいるの。
今彼女は幸運なことに、解雇された仕事よりも良い仕事に就いているわ。
でも彼女は3~4か月間仕事が無く、先の見通しが全く立たない状況にいたから、相当辛い時期を過ごしたはずよ。
―今日は、あなたの状況、アメリカの若者が置かれている状況を包み隠さず、でも盛らず、話してくれて本当にありがとう。最後に伝えておきたいことはある?
アメリカはかなり悲惨な状況下だけど、ワクチンの接種が始まっていることはポジティブなニュースよね。
私も自分をワクチンの接種待ちリストに載せたわ。
実は、次の仕事が決まって、grocery store(食料品店)で働くことになりそうなんだけど、私の仕事は食品という人間の日常生活で絶対必要な物を扱う業種に当たるから、ワクチンを割と優先的に受けられるのよね。
今の状況が1週間や2週間という短期間で改善方向に向かうとは思わないけど、くよくよしないで、今自分ができることをして生活するわ!
そして、状況が改善したら絶対日本に行くからね!
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